あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 宣言通り、騎士達が戻ってきたのは出立してから三日後のことだった。
 辺境伯領の騎士達は全員無事。だが、彼らと共に戻ってきたマクシム騎士団の騎士達は、ほぼ全員がなんらかの傷を負っていた。自分で歩ける軽傷者はほとんどいない。
 分隊の寮にも収容したそうだが、特に重傷者は本隊所属の医師に見せたいと、雪竜車に乗って戻ってきた。
 迎えに出たエルニーナの前で、雪竜車からおろされた騎士達が、担架で中に運び込まれていく。
 その中に見覚えのある人がいた。

「団長さん!」
「やあ、エルニーナ嬢……あなたの情報を無駄にしてしまってすまない」
「いいえ、生きて戻ってくださっただけで充分です!」

 重傷だが、命に別状はないそうだ。彼と言葉をかわすことができて、ほっとする。

「しゃべらないでください。今は休んで」

 怪我人達は、辺境伯家の騎士団寮に運び込まれた。セヴェロが手配した医薬品が惜しみなく使われ、城下町の医師達も駆けつけてくれた。
 彼らの世話は、辺境伯家の騎士達が対応する。冬の避難民対応で培った経験が、こんな形で役に立つとは。

「辺境伯様も……お帰りなさいませ」

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