あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 騎士達が全員運び込まれるのを待っていたかのように、最後尾にいたドラヴェンが敷地内に入ってきた。
 エルニーナは、素早く彼の様子を確認する。彼もまた、怪我ひとつない。

(……よかった)

 痛々しいティベルの様子を見てしまったあとだ。ドラヴェンが無事だったのが、なおさらよかったと強く思う。

「無事で……よかった。本当に、よかったです」

 実のところ、冬に食料の調達に出かけて行った彼を見送った時以上に何も手につかなかった。
 立ち止まる度に、ソリンに背中を叩かれながら、日々の業務を行っていた。
 彼への気持ちを、これ以上育てるつもりはなかったのに。気持ちはまったく言うことを聞いてくれない。

「戻った……だが、俺も少し考えなければならない」
「何をでしょう?」

 戻ってきた彼は、今まで見たことがないほど険しい表情をしていた。怒りを押し殺しているようにも見える。

「ティベル騎士団長が、エルニーナ嬢に手紙を出したのは正しかったということさ。兄上に出した手紙の情報は、彼には共有されていなかったらしい」

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