あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 正確な情報が届かない上に、ド素人が好き勝手に装備や補給に口を挟んだ。それで作戦が成功したら驚きだ。

「……辺境伯様?」
「王都の動きがきな臭い。俺が動くことになるかもしれない」

 ドラヴェンが動かなければならないって、王都で何が起こっているのだろう。
 問いかけようとしたけれど、あまりにもドラヴェンが厳しい顔をしているので、エルニーナは言葉を飲み込んでしまった。


 ティベル達が屋敷に来てから一週間後。怪我人は少しずつ回復し始め、分隊の方にいる軽傷者の中にはベッドを離れた者もいるという報告がドラヴェンのところに届いた。
 それと同時に、王宮からドラヴェン宛に手紙が届いた。国王からドラヴェンに手紙が届くこと自体珍しいらしく、彼は首をひねりながら封を切った。

(……今回の事件についてのお返事なのかしら)

 なぜ、ティベルの出した計画を採用しなかったのか。なぜ、ドラヴェンの忠告を無駄にしたのか。言いたいことはたくさんある。

「……ふざけるな!」

 いきなりドラヴェンが大声をあげ、室内にいた全員の目が彼に向けられた。

「旦那様?」

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