あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 ジャイルの言葉には聞く耳も持たず、彼は手紙を床に叩きつけた。
 彼がここまで感情的になるのは初めてだったので、エルニーナだけではなく、ジャイルも目を丸くしている。

「辺境伯様、何があったのですか?」
「今回のマクシム騎士団の壊滅は、辺境伯家に責任があるらしい」
「なんでそんなことに!」

 言いがかりにもほどがある。どこをどうしたら、辺境伯家に責任があるというのだろう。そもそも、今回の討伐には、まったく関わっていなかったというのに。

「エルニーナ嬢が騎士団に残した引き継ぎ資料が間違っていたこと、俺の救援が遅れたことが理由だそうだ」

 怒りで目の前が真っ赤になるという言葉があるが、それが事実であることを生まれて初めて知った。

「……そんな、馬鹿々々しい」

 怒りの次に来たのは呆れだ。そんな無理のある話、誰が納得するというのだろうか。

「無理がある、馬鹿々々しい話だからこそ恐ろしい。国王の言葉だ。場合によっては、証拠なんか必要ないぞ」
「そう……ですね……」

 エルニーナは、窓の向こうに目をやった。
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