あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 まずはシーツや毛布、タオルなどといった支給品の数、制服の数を洗い出す必要がある。当面は現在所属している王国騎士団の制服でいいが、新しい騎士団の制服も作らねばならない。

「お任せください。所属するのが五十名、そのうち通いが十五名で……でも、当直の時は、この人達も寮に宿泊するのよね。となると、寝室はその人達の分も用意しなくちゃ」

 散らばっている書類を集めながら、緊急度の高いものから順に並べていく。言葉の後半は独り言だ。
 エルニーナが書類を仕分けしている間も、ティベルは机に向かってうんうんと唸っていた。
 どうやら、書類仕事は苦手なタイプらしい。騎士らしく堂々とした体躯の持ち主だが、そうしているところは小さく見えてしまうほど。

(でも、苦手なら苦手で、人を寄越すように申請できるのだから仕事はちゃんとできるのよね)

 自分の得手不得手をきっちりと把握し、必要に応じて人の手を求められるのだから、上司としては悪くない。

(この方、どんな方向に進むのが向いていたのかしら……)

 つい、謎の能力を使ってしまったのは、ちょっとした好奇心。

「……わあ!」
「どうした?」
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