あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
「いえ、失礼しました。手が滑ってペンを落としました」

 ティベルが向いている仕事は、『剣術教師』だった。

(でも、剣を使うっていう意味では似たような仕事だろうし……指導することもあるんだろうから、剣術教師が向いているなら騎士団長も向いているのかな……?)

 今、どんな職業についていたって、そこはエルニーナが口を出すべきところではない。
 目の前の仕事に意識を向け直す。

(制服は、デザイナーを決めないとよね。でも、王国騎士団から独立するんだから、王国騎士団の制服をデザインした人でいいかしらね。このあたりはまとめて問い合わせできるようにしておこう)

 シーツなどは予備も含めてとりあえず、百五十枚発注する。枕カバーもだ。毛布はそこまで数を揃えなくてもいいかもしれないが、百枚用意しておく。
 あまりよくはないが、事件に巻き込まれた被害者の身体をくるんだり、魔物との戦いで怪我をした人の身体を包むのにも使える。
 食堂で働く人の手配、寮の掃除や洗濯などをしてもらう使用人の確保、これらは申請書を提出しなければならない。

「ヴァレスク男爵令嬢、助かった!」

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