あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
「王命に逆らうのはよくないでしょう。それは、辺境伯様もよくご存じのはずです」

 今は、辺境伯領を離れたくないのも事実。
 辺境伯領に移住を決めた人達向けに、職や住居を斡旋する仕事が残っている。
 それに、昨年行った相談会。あれが好評だったから、近いうちにまたやろうと相談していた。
 辺境伯領では春の討伐は終わったけれど、次回に向けて騎士達から魔物の生息状況の聞き取りもしなければならないし――。王都に戻る前にティベルからも。
 やらねばならないことは山積みだが、これらは、エルニーナがいなくても他の人達で大丈夫だ。
 だが、ドラヴェンは渋い顔をしている。エルニーナの言葉が気に入らないのだろう。

「断れば、辺境伯領への攻撃材料にされかねません。それが、武力によるものなのか、別の形になるのかまではわかりませんが」

 エルニーナは、彼をまっすぐに見つめる。恐れることなく、真正面から彼と視線を合わせた。
 ドラヴェンと国王の間に、どんな関係があるのかエルニーナは知らない。こちらから聞いたことはなかったし、彼も話そうとはしなかった。

「……ならば、俺も行く」
「え?」

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