あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 王都に戻ってからの行動で、ティベル達と話し合いをしなければならないことも多いらしい。

(……私、どうなるんだろう)

 一人雪竜車の中に残っていると、重苦しいものが胸を締め付けてくる。
 仕事には誠実なつもりだった。手を抜いたこともなかった。
 だが、王宮で働いていた頃の無力感。蘇ってくるのは、自分には何もできないのではないかと思う日々。
 エルニーナの味方と言えば、ソリンぐらい。年齢が、身分が、性別が常にエルニーナ達の行動を阻害していた。
 できる限りのことをして、結果も出したと思っていたのに――こんな形で王宮に戻ることになるなんて。

(……考えてもしかたないわね)

 首を振って、嫌な考えを追い払う。
 辺境伯が共に来てくれるのだ。エルニーナが気弱になるわけにはいかない。


 余計な荷を積まない雪竜車は、王都目がけて真っすぐに進む。
 辺境伯領に向かう時は、乗合馬車を乗り継いだからかなり時間がかかったが、馬より体力のある雪竜車を使ったこと、護衛の騎士達も惜しむことなく替え馬を使ったことから、辺境伯領に向かった時の半分以下の日数で戻ることができた。
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