あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 ドラヴェンは十年王都に戻っていないが、先代の辺境伯が存命だった頃は、王命に応じて何度か王都に戻ったことがあったそうだ。いつ戻ってもいいように、手入れをするための使用人は王都邸で雇っているそうだ。
 東門を入ってからごとごとと雪竜車は進んでいき、やがて王都邸の敷地内へと乗り入れた。三階建ての立派な屋敷で、庭の手入れも行き届いている。

「ここを拠点にして、王宮に出頭する。まずは王宮に到着の使者を出す。出頭の日程は、向こうが指定してくるだろう」
「はい」

 雪竜車を降りたエルニーナは、王宮の方角に目を向けた。
 あそこで何が待っているのだろう。負けたくないと強く思った。


 王宮に到着したのは、到着の報告を出してから三日後のことだった。
 ドラヴェンは辺境伯としての正装、エルニーナは文官の制服。護衛の騎士達も、辺境伯家の紋章が入った騎士としての礼服をまとっている。

「フロンテレスク辺境伯様、エルニーナ・ヴァレスク男爵令嬢。陛下がお待ちです」

 侍従の制服をまとった青年が、一行を出迎えた。
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