あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
「陛下のお考えでございます。辺境伯様には、のちほど陛下が直接お話しになるとのことです」
「話にならない。それならば、戻るぞ」
「陛下の命令に、逆らうおつもりですか? 辺境伯様は、陛下に反旗を翻す……そういうことでよろしいでしょうか」

 ドラヴェンが引き返そうとすると、侍従は彼に向けて嘲るように言い放った。辺境伯に対する態度とは思えない。

(……よくないわ)

 ドラヴェンは、国王とうまくやっていこうと思っているはずだ。ここでドラヴェンと引き離されたとしても、エルニーナに暴力が振るわれるようなことはないだろう。
 それに、もしどこかに閉じ込められたとしても、きっとドラヴェンが助けてくれるから大丈夫だ。

「辺境伯様。短気を起こしては、先方の思うままになってしまうと思います。ここは、言われた通りにしましょう」

 エルニーナは、ドラヴェンに向き直った。
 だが、と彼はエルニーナを翻意させようとしたが、首を横に振ることで続く言葉は静止した。

「大丈夫です。ここは王宮ですよ。無体なことはなさらないでしょう」
「エルニーナ嬢」

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