あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 マクシム騎士団に配属されてから、討伐計画を立てるのを手伝った。
 倉庫の整理に始まり、台帳の再構築、古い資料の再現、相談会の運営に、避難民達の生活を守ったこと。
 多くの人に出会い、多くの人の力を借りた。
 そして、辺境伯がエルニーナの仕事を認めてくれた。大丈夫だ。国王の前に出ても落ち着いて話ができる。

「エルニーナ・ヴァレスク男爵令嬢。こちらへ」

 待ちくたびれた頃、ようやく扉が開かれた。先ほどエルニーナを案内したのとは別の侍従が、今度はエルニーナを案内してくれる。
 案内された先は――玉座の間だった。エルニーナのような身分では、足を踏み入れる機会もほとんどない場所。

(……事情聴取じゃないの?)

 エルニーナの足が、わずかに止まった。
 事情聴取であれば、小さな部屋で行うはずだ。玉座の間は、公式の場として用いられる。
 たとえば、国内外の賓客と顔を合わせる時、手柄を立てた者を褒賞する時――そして、罪を犯した貴族を弾劾する時。

(甘かったわ!)

 ドラヴェンへの手紙に、事情を聞くと書かれていた。だから、まずは国王と主な貴族がひそかに話を聞くのだろうと思い込んでいた。
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