あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 討伐失敗の理由なんて、大々的に広めたいものではないだろうから。だが、ここに呼び出したということは、話を聞くつもりはないのだろう。
 この場に引き出された段階で、エルニーナの罪は定まっているというわけだ。
 だが、ここまで来て、今さら戻るわけにもいかない。目の前で、ゆっくりと扉が開かれていく。エルニーナは、広間に足を踏み入れた。


 ◇ ◇ ◇

 

 ◇ ◇ ◇



 エルニーナと引き離されたドラヴェンが通されたのは、来客用の控室だった。
 壁には絵画、窓際には花を生けた花瓶。座り心地のいいソファに、磨き抜かれた年代物のテーブル。外国からの大使などが謁見の前に一息入れるための場所だ。
 侍従の制服を着た男が入ってきて、無言のままテーブルの上に茶と茶菓子を置いていく。ティーポットからカップに注ぐと、絹の布に包んだ銀のスプーンを取り出した。
 そのスプーンをカップに差し入れたかと思うと、そのまますくって口に入れる。毒は入れていないとわかりやすく毒見してみせたらしい。

「しばらく一人にしてくれ。少々、休みたい」
「かしこまりました。何かあれば、そちらのベルでお呼びくださいませ」

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