あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
ティベルとは、道中すでに打ち合わせを済ませていた。
まずは、資料の原本を手に入れねば。そこになければ、ティベルが隠していた場所から写しを持ち出す。
面倒なことを言われないよう、原本を入手できれば一番いいのだが。
ドラヴェンは、窓の鍵に手をかけた。音を立てないように、ゆっくりと開ける。
控室は一階とはいえ、窓から地面までには少し高さがあった。だが、この程度であれば降りることは造作もない。
身を翻して窓枠に足をかけ、音もなく中庭の植え込みの陰に着地する。
靴の底に伝わる土の感触。ここから先は、十年前の記憶が頼りだ。
(……変わっていないな)
植え込みの配置も、庭園の小道の曲がり方も、記憶の通りだった。
幼い頃、養父に連れられてこの庭を歩いた。次にここに来る時には、立派な辺境伯家の跡取りとして堂々と王都に戻ってこようと約束した。
結局、養父と共に王都に戻ることはなかったが。
植え込みの陰を縫うようにして右手に進む。
(……この時間帯は、庭師は昼食だと言っていたのは本当だったな)
まずは、資料の原本を手に入れねば。そこになければ、ティベルが隠していた場所から写しを持ち出す。
面倒なことを言われないよう、原本を入手できれば一番いいのだが。
ドラヴェンは、窓の鍵に手をかけた。音を立てないように、ゆっくりと開ける。
控室は一階とはいえ、窓から地面までには少し高さがあった。だが、この程度であれば降りることは造作もない。
身を翻して窓枠に足をかけ、音もなく中庭の植え込みの陰に着地する。
靴の底に伝わる土の感触。ここから先は、十年前の記憶が頼りだ。
(……変わっていないな)
植え込みの配置も、庭園の小道の曲がり方も、記憶の通りだった。
幼い頃、養父に連れられてこの庭を歩いた。次にここに来る時には、立派な辺境伯家の跡取りとして堂々と王都に戻ってこようと約束した。
結局、養父と共に王都に戻ることはなかったが。
植え込みの陰を縫うようにして右手に進む。
(……この時間帯は、庭師は昼食だと言っていたのは本当だったな)