あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
中庭の端まで来ると、目の前に厨房の裏口が見えた。大きな木の扉が開け放たれていて、中からは鍋の煮える音と、料理人達の声が聞こえてくる。
厨房の脇には、石壁に挟まれた細い通路があった。いや、本来は通路として使われる場所ではない。
王宮から出る前日、養父と最後にこの場所を訪れた時に気づいたのだ。使用人達が、人目につかないように行き来するための通路の一つらしい。
いくつかの角を曲がると、訓練場の裏手に出る。
この時間、訓練場には誰もいなかった。マクシム騎士団が壊滅状態ならば、訓練をしている者もいないだろう。
(あの建物か)
訓練場の向こう側に、二階建ての建物が見える。
ティベルが教えてくれた騎士団の建物だ。マクシム騎士団の設立が決まってから建てられたものだから、ドラヴェンは初めて見る。
足音を忍ばせて、訓練所に入る。記録保管庫に向かおうとしたところで、騎士の制服を身に着けた若い男が向こう側からやってきた。
いや、まだ少年と言ってもいいだろうか。せいぜい十五歳というところだ。
「……辺境伯様、ですか?」
厨房の脇には、石壁に挟まれた細い通路があった。いや、本来は通路として使われる場所ではない。
王宮から出る前日、養父と最後にこの場所を訪れた時に気づいたのだ。使用人達が、人目につかないように行き来するための通路の一つらしい。
いくつかの角を曲がると、訓練場の裏手に出る。
この時間、訓練場には誰もいなかった。マクシム騎士団が壊滅状態ならば、訓練をしている者もいないだろう。
(あの建物か)
訓練場の向こう側に、二階建ての建物が見える。
ティベルが教えてくれた騎士団の建物だ。マクシム騎士団の設立が決まってから建てられたものだから、ドラヴェンは初めて見る。
足音を忍ばせて、訓練所に入る。記録保管庫に向かおうとしたところで、騎士の制服を身に着けた若い男が向こう側からやってきた。
いや、まだ少年と言ってもいいだろうか。せいぜい十五歳というところだ。
「……辺境伯様、ですか?」