あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 自信を持って言える。完璧ではなかったかもしれないけれど、あの時できた最善の仕事をした。昨年の春の討伐は成功だったし、恥じるところは何もない。

「ステファノ・パラディーヌ侯爵」
「はっ!」

 人々の背後に隠れていたステファノが、ゆっくりと前に進み出てくる。

「証言しろ」
「この者は、マクシム騎士団の初代文官の任を与えられたが、彼女の仕事はお粗末なものだった。無謀な計画が、先日の討伐で騎士団に大きな影響を与えたのだ」
「そのようなことはいたしません。ティベル騎士団長より、ヤーゴット伯爵領、辺境伯領の情報が欲しいと依頼され、集められる限りの情報をお送りしました」
「その情報が間違っていたのだろう!」
「辺境伯様にも、現地で長いこと働いている役人にも、確認してもらいました。正確な情報をお送りしています」

 エルニーナの手元に、その証拠はない。だが、騎士団の詰め所を確認してもらえば、エルニーナの残した資料は見つかるはずだ。

「……聞いていないぞ」
「でしたら、その情報は、どこかに隠されたのでしょう」

 できる限りのことはした。その点を疑われなければならない謂れはない。
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