あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
きぃきぃとわめく声に、集まっている貴族達の間にも動揺する気配が広がっていった。
「どういうことなの……?」
「今年も、繁殖期の魔物は無事に抑えられたと聞いたぞ」
「失敗したというのなら、王都にも魔物が押し寄せてくるのではないか?」
貴族達の間からも不安の声があがっている。
マクシムは、それを聞いて声を張りあげた。
「……皆の者! 落ち着け! 魔物は、辺境伯家の騎士達が討伐したそうだ。だが、今回の遠征、失敗したのはこの者――エルニーナ・ヴァレスクに責任がある!」
王としての威厳を装った声で、マクシムは王笏をエルニーナに突きつけた。
エルニーナは、ゆっくりと口角を上げた。
この王は、知らない。
ティベルがどんな覚悟で騎士達を率いていたのか。
エルニーナが、どんな思いで一人一人の騎士の適性を見極め、ティベルに伝えていたのか。
ステファノがそれを踏みにじったことも、騎士達がどれほどの犠牲を払ったのかも。
知らないまま、自分から知ろうとせずに、すべてをエルニーナ一人に押しつけようとしている。
(……この人は、何も見えていない)
「どういうことなの……?」
「今年も、繁殖期の魔物は無事に抑えられたと聞いたぞ」
「失敗したというのなら、王都にも魔物が押し寄せてくるのではないか?」
貴族達の間からも不安の声があがっている。
マクシムは、それを聞いて声を張りあげた。
「……皆の者! 落ち着け! 魔物は、辺境伯家の騎士達が討伐したそうだ。だが、今回の遠征、失敗したのはこの者――エルニーナ・ヴァレスクに責任がある!」
王としての威厳を装った声で、マクシムは王笏をエルニーナに突きつけた。
エルニーナは、ゆっくりと口角を上げた。
この王は、知らない。
ティベルがどんな覚悟で騎士達を率いていたのか。
エルニーナが、どんな思いで一人一人の騎士の適性を見極め、ティベルに伝えていたのか。
ステファノがそれを踏みにじったことも、騎士達がどれほどの犠牲を払ったのかも。
知らないまま、自分から知ろうとせずに、すべてをエルニーナ一人に押しつけようとしている。
(……この人は、何も見えていない)