あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
「なんだ?」
「ありがとうございました。また、守ってくださって」

 ドラヴェンは、少しの間黙っていた。

「守ったんじゃない。エルニーナ嬢は、一人で立てていただろう。俺が来る前に……堂々としていた」
「……そうでしょうか」
「国王に立ち向かったのは、エルニーナ嬢の力だ。俺じゃない」

 エルニーナは、彼の顔を見上げた。
 この人は、いつもそうだ。エルニーナを認めてくれる。
 ステファノとは、何もかもが違う。この人と共に、王国のために働く。それは、どれだけ幸せなことだろうか。

「エルニーナ・ヴァレスク男爵令嬢」
「はい」

 不意に、ドラヴェンが真面目な顔になる。返事をしたエルニーナの声もかすれていた。

「俺と共に、人生を歩んではもらえないだろうか」
「わ、私と……ですか?」

 それは、あまりにも大きな驚きだった。
 エルニーナは彼に好意を寄せていたけれど、彼がエルニーナに対してそんな気持ちを向けてくれているなんて今までまったく想像もしていなかったから。
 まさか、ここで。玉座の間を出た廊下で告げられるとも考えていなかった。

「……あの、でも、私……」

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