あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 どうしよう、適切な言葉が見つからない。
 彼の言葉が嬉しいのに、なんと返せばいいのかまったくわからない。

「返事は急がない。俺が、あなたと共にこの先も生きていきたいということだけを知ってくれれば」
「……お受けします。私も、共にあなたと歩きたいと願っていました」

 エルニーナの返事に、彼は目を丸くした。そして、エルニーナの前に膝をつく。
 まるで、姫君に対して騎士がふるまうかのように。

「俺は誓う。あなたを、生涯大切にすることを」

 そして、彼はエルニーナの手を取り、そこに口づける。まるで神聖な儀式のようなそのふるまいに、胸が震えた。
 今までの、望んではいけないという切ない願いではなく――喜びにあふれて。


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