あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 鏡の前に立つドラヴェンの頭上を、エルニーナはそっと確認した。
 ずっと見ないようにしていた。好奇心に負けてはいけないと、何度も自分を戒めていた。
 けれど、今なら見てもいい気がした。
 浮かんでいたのは、『王』。
 もしかしたら、辺境伯領にいた時は、『領主』と出ていたのかもしれない。あの頃は、確認しようと考えたことすらなかったけれど。
 今日、この国は新たな始まりを迎えることになる。
 ドラヴェンが即位し、エルニーナは、一年後の結婚式を終えれば王妃となる。
 怪我から復帰したティベルは、マクシム騎士団改め、ナヴァリア討魔騎士団の団長に。
 王都に戻ってきたソリンは、エルニーナの秘書になってくれる予定だ。彼女のところには求婚が殺到しているようだが、今のところすべて蹴散らしているらしい。
 辺境伯の屋敷を守っていたジャイルは、王宮に異動になった。後任を育てながら、ドラヴェンの侍従長として働くそうだ。
 コルネリオは、国王直轄領となった辺境伯領の代官として腕を振るい、セヴェロは彼と共に辺境で働くことを選んだ。
 皆、それぞれに自分の道を歩いている。

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