あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
「医薬品については、毒消しを多めに用意した方がいいと進言いたします」
「毒消し? 傷口の回復薬を多く持っていった方がいいのではないか?」
「巡回に出た騎士の報告と、商人からの聞き取りから、毒を持った魔物が王都の方に移動している可能性が高いです。こちらも、服騎士団長の確認済みです」

 エルニーナが次に見せたのは、王都と各地を結んでいる商人達や、先に遠征に出た騎士達、王都に仕事を求めてやってきた傭兵達――魔物戦を専門とする――などからの聞き取り調査の結果だ。

「なるほど。前の遠征をもとに計算してみたんだが、こうしてまとめてもらうと納得できるな。回復薬は俺の計算通り、毒消しは多めがいいということか」
「使わないにこしたことはありませんが、皆さんのお身体が一番ですから」

 皆が無事に戻ってくれるのが一番だ。誰も怪我をしないですむのが一番だが、何かあってもすぐに対応できる準備はどれだけしても足りないということはないはずだ。

「わかった。計画に問題はなさそうだな。持っていく医薬品に、麻痺解消薬も追加してもらえるか」
「荷物が多くなりますが……」
< 28 / 272 >

この作品をシェア

pagetop