あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
「もし、こいつが出るなら、麻痺毒を放ってくる可能性も考えられる。珍しいと言えば珍しいんだが、年を重ねた個体の中には麻痺毒をもつものも出てくるんだ」

 出没する可能性が高い魔物の一覧を指さしながらティベルが教えてくれる。なるほどとうなずいて、補給班が運搬する荷物に麻痺解消薬を追加。

(覚えておかなくちゃ)

 ティベルが指さしたのは、ポイズンフロッグ。エルニーナが見た資料には、人体をむしばむ毒を放ってくるとしか書かれていなかった。
 普通、カエル系の魔物に牙はないが、長生きした個体の中には、牙が生えてくるものもいるらしい。そういった個体は、獲物を麻痺させてゆっくり食べるために麻痺毒を持つようになるそうだ。
 今まで資料に記載されていなかった情報だが、魔物討伐にあたっている人々の間で経験則的に受け継がれてきたのだろう。
 ここに配属された以上、今までは資料に掲載されていなかった情報も積極的に集めていきたい。

「お気をつけて。それとこちら、傭兵団の方から聞き取りをした現在の魔物の様子です」
「魔物が変化するのはよくあることだ。現在の状況があるのであればありがたい」

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