あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 そうか、と今度はティベルは驚いた顔になった。それと同時に、エルニーナの提案をどう判断すべきか迷っている様子も見せ始めている。

(……そうよね、余計なことよね……)

 余計なこととわかっていても、口にせずにはいられなかった。
 基本的に魔術師は、魔力がなくなれば魔術を使えなくなる。だからこその弓の提案だった。
 ガルフォードは他に短剣も得意そうだけれど、たぶんこちらは魔物の接近を許してしまった時に自分で自分の身を守るため。弓を使えれば、魔力を節約できる。
 否定されると思っていたけれど、ティベルの反応はエルニーナの予想とは違っていた。わずかにこちらに身を乗り出して、次の質問を重ねてくる。

「エルニーナ嬢、他に得手としているが、騎士団内では見せていない特技を持っている者はいるか」
「そうですね……ラウロ様ですが、水魔術の才能があるはずです。遠征までに一度確認をした方がよろしいかと思います」

 水の魔術を使える者がいれば、遠征先で飲料水が失われたとしても必要最低限の水は補充できる。それに、怪我を負った者の手当の時も水魔術は大活躍だ。
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