あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 水魔術を使って出した水で傷口を洗えるか否かで、回復に大きな違いが出ることもある。

「それから?」
「カーク様ですが、馬の扱いがお上手だと思います。遠征中、落ち着きを失った馬はカーク様に任せるといいかもしれません」

 視線で促されたので、今まで騎士達を見てきて気づいたことを次々に上げていく。
 ティベルが、黙ってエルニーナの話を聞いているのがおかしいとも思ったけれど、できるなら役立ててもらいたい。
 たとえば、今は弓に回されているが、片手剣の扱いも才能がある者、作戦を立てるのに適した軍師的才能を持つ者、斥候のような役目を得意とする者、狩りの才能があるので遠征先で食料の調達ができそうな者……エルニーナが口にした情報を、ティベルは次々に書き留めていく。

「あの、よろしいのですか? 私の話が間違っている可能性を考えていないようにお見受けしますが」

 今までエルニーナのスキルが間違ったことはないと思う。けれど、ここまで熱心にエルニーナの話を聞いてくれた人は少なかった。ここまで熱心に書きとってくれた人もいない。

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