あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
「俺の祖父が、似たような才能を持っていたんだ。祖父が配属を決めた者は皆、配属先で優れた功績を上げた。実際、俺も大剣が得意だしね」
「……そう、ですか」

 こんなことができるのはエルニーナだけだと思っていたが、彼の身内に似たようなことができる者がいたらしい。それでエルニーナの話を真面目に聞いてくれたのだからありがたいものだ。

「今回の遠征前に確認できる点は確認するし、遠征先でも確認しよう」
「……はい」

 嬉しい。エルニーナの提案は、今まで握りつぶされるか馬鹿にされるかだった。
 けれど、ティベルはエルニーナを信じてくれている。
 女性文官に対する周囲の見方を変えたくてここに来たけれど、ティベルがエルニーナを信じてくれたことがこんなにも嬉しい。


 出かけて行ったマクシム騎士団は、それから七日で戻ってきた。
 持って行った食料のうち使われたのは五日分である。十日分の食料を持参したから、半分はそのままだった。

「エルニーナ嬢! 君の提案は素晴らしかった」

 戻ってくるなり、ティベルはエルニーナを執務室に呼び出した。
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