あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
第二章
辺境伯ドラヴェンは、言葉の通りにエルニーナを受け入れてくれたようだ。彼自ら、エルニーナを案内してくれる。

「俺の執務室は本館にある。それから、ここの廊下で繋がっているのが辺境伯領の役所だ。領民に関するすべての行政はそちらで行っている」

 ドラヴェンは、エルニーナと役所にいる役人達を引き合わせてくれた。十数名の役人達が、静かに仕事に取り組んでいる。

「彼女に何を任せるおつもりですか?」
「まずは、俺の手伝いをしてもらう。養父上が亡くなったあと、手をつけられないでいる部分が多いからな」
「承知しました」

 丁寧に頭を下げたのは、どうやらこの地の役人達を束ねている男性のようだ。エルニーナにも頭を下げてくれたけれど、無表情のままだ。
 それから、辺境伯家の副騎士団長に引き合わされる。騎士団長は、ドラヴェン自ら務めているそうだ。
 辺境伯家の馬小屋にも案内してもらったが、王都で見る馬よりも体格が一回り大きく、毛が長い。雪に強い品種らしい。

「それから、ここが雪(ゆき)竜(りゅう)の小屋だ」
「雪竜、ですか……」

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