あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 案内されたのは、初めて見る魔物が飼育されている小屋だった。基本的に身体は白い。長くて太い後ろ足や大きな羽根と比べると、前足は短く小さい。立派な尾を持っていて、その尾が左右に揺れている。

「魔物を飼育しているんですか?」
「草食だし、人懐っこくて、遊ぶのが大好きな性格のものが多い」

 人懐っこいのは事実のようで、柵の向こう側でぴょんぴょんと飛び跳ね、しきりに鳴き声をあげている。振られている太い尾は勢いを増し、今にもぶんぶんという音が聞こえてきそうだ。

「グルル」

 という鳴き声は、見た目から想像するよりもずっと高くて可愛らしかった。

「おお、元気にしているか? エルニーナ嬢だ、新しい仲間だぞ」

 仲間――そう言ってしまって、いいのだろうか。まだ、何もしていないのに。

「まずは、倉庫の確認をお願いしたいんだ。もちろん、力仕事になるからこちらから人手は出す。頼めるだろうか」
「倉庫の確認ですか……?」
「ああ。養父上の代からいろいろとごちゃごちゃになっていてな。廃棄物も多数……い、嫌がらせではないぞ。手の付けようがないんだ」

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