あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 エルニーナが渋い顔をしたので、いきなり左遷扱いしたとドラヴェンは判断したようだ。焦った顔になる。

「迂(う)闊(かつ)な者には頼めないんだ……騎士団の機密にかかわるものが出てくるかもしれない」

 辺境伯は真剣な顔をしているが、機密にかかわるかもしれないものを、無造作に倉庫に放り込んでおいていいのだろうか。喉の奥から妙な声が出そうになるのをなんとか押しとどめる。

「……承知しました。お任せください」

 どうせ、左遷されてここに来たのだ。仕事があるだけありがたいと考えるしかないか。
『お任せください』とドラヴェンに言ったけれど、仕事にとりかかった瞬間、エルニーナは、倉庫で途方に暮れることになった。

「いくら人手を貸してくれると言っても……」

 倉庫の中はあまりにもひどかった。

(やっぱり、これって窓際扱い!)

 ちょっぴり遠い目になって、エルニーナは倉庫に積み上げられている木箱を見つめていた。
 辺境伯領での扱いは悪くなさそうだと判断したのに――たしかに、魔物討伐に駆り出されても困るが、これはこれでどうなのだ。
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