あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 心の中でつぶやいた、その瞬間。
 広間の扉が大きく開け放たれた。集まっている人々の合間を縫って、ゆっくりとエルニーナの方に歩いてくる足音。
 コツコツと響くその足音に、マクシムは目を大きく見開いたまま動けなくなっていた。

「……我々の抱くべき王はここにいるわ」

 そうエルニーナが告げたのは、マクシムの耳に届いているだろうか。だが、そんなことはどうでもいい。
 今、この瞬間からナヴァリア王国の歴史は大きく書き換えられるのだから。
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