あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
「俺は、こんなに剣はいらないな。手入れして騎士団員に渡そうか」
「かしこまりました」

 ドラヴェンにも愛用の剣はあるが、手元に予備として残す分以外は、配下の騎士達に渡すようだ。騎士にとって剣は命綱だろうから、いい剣を使えるにこしたことはないだろう。
 宝石の入っている立派なものは、手柄を立てた者に渡す用として別に管理するらしい。ドラヴェンの支持を受けて、ジャイルが剣を分けていく。

「辺境伯様、こちらの書類はどうしましょう?」

 エルニーナが開いた箱に入っていたのは、書類の束だ。こちらもカビ臭くなってしまっていて、このまま保存するのは少々恐ろしい。

「報告書だな。以前の遠征記録のようだが……なんで、こんなところにあるんだ?」
「執務室が雨漏りしたことがございました。その時に、こちらに移したのでしょう」

 ジャイルの説明に、ドラヴェンは小さく唸った。移した後に、そのまま忘れられてしまったらしい。

「どちらにしても、写しを作ってそちらを保存した方がよろしいでしょう。カビを吸い込むと病気になるかもしれないですし」

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