あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
「よかった。ちょうど、倉庫の管理を任せられる人を探していたんです」
「倉庫ですか」

 セヴェロの琥珀色の目が、倉庫の中を見渡した。整理途中の木箱、棚に並べられた物資、壁に貼りつけられている在庫の管理表。

「……わかりやすいですね。実家の倉庫でも、似たような仕組みを使っていました」
「辺境伯領でお仕事をするんですよね?」
「もちろんです」

 セヴェロが来てくれるのなら、彼に任せたい仕事がたくさんある。とはいえ、エルニーナが勝手に決めるわけにいかない。

「王都からの出向扱いなら、辺境伯様に引き合わせないといけないですね。執務室に行きましょう。辺境伯様にお話をしたいこともあるので、ジャイルさん、ここをお任せしてもいいですか?」
「かしこまりました」

 たぶん、外交部からこちらに来たということは隣国との折衝を任せたくて王都に人材の派遣を依頼したのだろう。だが、セヴェロが来てくれたのならば倉庫を彼に任せたい。
 倉庫の方はジャイル達に任せて、ドラヴェンの執務室へと向かう。今日の彼は、次の魔物討伐の計画を立てているところだった。
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