あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する

「やってみなければわからないこともあるだろう? 挑戦してみれば、意外と向いていたということもある」
「それは、そうなんですけど……」

 彼が言うことにも一理ある。向いていないと勝手に判断し、最初から諦めてしまうのはよくない。エルニーナの能力について、ドラヴェンに教えるわけにはいかないので困ってしまう。

「せっかく、即戦力が来たので……駄目でしょうか? 隣国との折衝ならば、私もお手伝いしますし……」

 やらないと決めていたが、隣国との折衝に立ち会うことになったならば、エルニーナが相手の頭上を確認してもいい。

「即戦力か……商家の息子だったな」
「はい。輸送の手配や在庫の管理も、実家で経験があります」

 顎に手をやったドラヴェンは、真剣に考えている顔になった。エルニーナの提案が却下されるのには慣れている。でも、できることなら、今回は受け入れてもらいたかった。

「エルニーナ嬢の言うとおりにするのもありか。わかった。物資関係の文官として配属する。まずは、エルニーナ嬢に従って物資の把握に努めてくれ」
「かしこまりました」

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