あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 セヴェロは深く頭を下げる。本人の希望の部署に配属になってよかった。

(……辺境伯様は、私の意見もちゃんと聞いてくださるのね)

 それは、エルニーナにとっては、新鮮な経験だった。ステファノは、エルニーナの言葉にはまったく耳を貸そうとはしなかったから。

「その代わり、エルニーナ嬢。こちらの仕事を手伝ってもらうぞ」
「もちろんです。お任せくださいませ」

 この人が望んでくれるのなら、なんでもできそうな気がする。それは、エルニーナにとっては初めての経験だった。
 セヴェロが加わってから、倉庫の整理は一気に加速した。エルニーナが記録を取り、セヴェロが棚の配置と物資の管理を担う。
 ジャイルには、辺境伯家の書類を改めて確認する仕事に回ってもらい、帳簿と在庫を一致させる作業も進んでいた。

「セヴェロさん、魔石が足りなくなるかも」
「もう手配してあるよ。次の討伐で得た分はこちらに回してもらって、あまりが出れば売却」
「助かります。セヴェロさんが来てくれて、本当によかった」

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