あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 今のところ、エルニーナも、いつ追加の発注をすればいいのか把握できてはいない。でも、セヴェロはもう、辺境伯領の物資の流れを完璧に把握しているようだ。
 こういうところは、やはり専門家に任せた方がいいのだろう。


 ◇ ◇ ◇



 書類仕事の最中、ドラヴェンはふと立ち上がった。
 肩が、がちがちに固まってしまっている。書類仕事は、正直なところ得意ではない。
 立ち上がったついでに、肩を回しながら窓の向こうに目をやると、ちょうどエルニーナが歩いていくところだった。
 倉庫から出てきたところで、手元の紙に視線を落としながらセヴェロとなにやら話し合っている。セヴェロの指が書類の一点を指さし、エルニーナはうなずいた。

(……ふたりが来てから、ずいぶん楽になったな)

 机の上には、セヴェロが今朝提出してきた補給計画の書類が広げられている。
 エルニーナが来るより前から王都には、『外交に強い者を送ってほしい』と依頼していた。なかなか辺境に回せる人材がいないと断られていたのだが、ようやくセヴェロを送ってもらえることになった。
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