あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 結局、セヴェロには倉庫で備品の管理を任せているのだがそれがいい方向に回っている。
 物資の在庫状況、消費のペース、次の発注時期と発注量。どんな根拠でこの計画を立てたのかもきっちりと記されている。
 最終的には、この資料を基にドラヴェンが結論を出すことになっている。書類を確認した印に、署名をした。

(発注は、もう少しあとでもいいな……しかし、養父上は記録も取らずによく仕事ができていたものだ)

 先代の辺境伯だった養父は、そのあたりを全部頭の中で処理していた。
 だから記録に残らなかったし、養父が亡くなった後は、何がどうなっているのか把握するのは大変な作業だった。
 自分が養父の跡を継いだ時、養父のやってきたことを把握するのに苦労したくせに、全部、自分の頭の中で片づけていた。
 書類仕事が得意ではないと言い訳して。おかげで、様々な無駄が発生してしまっていた。物資を廃棄してしまったこともある。
 魔物を討伐し、魔物からとれる魔石や毛皮、肉などを売ることである程度はまかなえていたけれど、これからはそんな大雑把な処理はしない。

< 70 / 272 >

この作品をシェア

pagetop