あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
第三章
辺境伯領に来てから三ヶ月。
 エルニーナは、ドラヴェンの秘書のような仕事を与えられていた。秘書というと聞こえはいいが、実際は辺境伯領にかかわる仕事はなんでもやる人が正解である。
 倉庫の整理と並行し、書類の形式を統一した。日付、何について書いているのかの表題、問題ない個所、改善点等。おかげで、各所から上がってくる報告書もだいぶ読みやすくなった。
 エルニーナの方で要点をまとめ、エルニーナなりの意見をつけて報告書を提出し、最終的にはドラヴェンの判断を仰ぐことになっている。
 そんなわけで、辺境伯の指示を仰がねばならないことが出てきた時のために、エルニーナの仕事部屋は執務室の隣に用意された。
 内扉で繋がっていて、必要があればすぐに会話ができるのがいい。

「エルニーナさん、少しいいですか」
「どうしました?」

 険しい顔をして、セヴェロがエルニーナの仕事部屋を訪れた。

「在庫が合いません」

 セヴェロが差し出してきたのは、倉庫の在庫一覧表だった。実家での経験をもとに彼が作り上げた、管理の仕組みの要だ。
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