あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 鍵を持っているのは、辺境伯家の当主であるドラヴェン、倉庫番のセヴェロ、執事のジャイルだ。
 物資を持ち出す時には、基本的には倉庫番のセヴェロに声をかけることになっている。セヴェロは誰がいつ倉庫に入ったのかを管理台帳に記し、誰がどの物資をどれだけ持ち出したのかを管理している。

「まずは、辺境伯様に報告します。執務室に行きましょう」

 ドラヴェンの執務室に行き、現状を報告する。ドラヴェンの目の前で、改めてセヴェロと台帳を確認した。

「……セヴェロさんの作ってくれた台帳は、ちゃんと管理されていますもんね」
「あれ、これって僕がこっそり持ち出したことになったり……」
「俺は最初から疑ってないぞ」

 もしかして第一容疑者は自分だろうかとセヴェロが青ざめた時だった。執務室で作業中だったドラヴェンが口を挟む。

「そう言っていただけるならありがたいんですけど」

 と返したものの、台帳を見ただけでは誰が持ち出したのか確認できない。
 目撃情報がないか聞き込みを始めるべきだろうか。
 ひょいと自分の席から立ち上がったドラヴェンは、セヴェロの肩越しに台帳を覗き込んだ。

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