あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 今までは、倉庫に入る時はセヴェロに申告して、鍵を持ち出すことにしていた。もちろん、二人一組。二人で行動させることで、勝手に持ち出せないようにしていた。けれど、それだけでは甘かったのかもしれない。
 今後は、さらにセヴェロかドラヴェンが任命した者が品出しに立ち会うことにする。

(……これで、解決すればいいけれど)

 今までのやり方を大きく変えるのだ。トラブルが起きることを前提に考えておいた方がいいかもしれない。


 次に問題が起こったのは、セヴェロの報告があってから二週間後のことだった。

「エルニーナさん! 今度は医薬品が紛失した」

 執務室に飛び込んできたセヴェロの言葉に、ドラヴェンもエルニーナも弾かれるように立ち上がった。

「何がなくなった?」
「毒消しと麻痺解消薬を入れた箱です。昨日の夕方に確認した時はあったのに、今朝見たらなくなってました!」
「どちらも、うちでは必須だな。数は多めに用意しているが……」

 辺境伯領の魔物の中には、麻痺毒を持っているもの、さらに強力で命に関わる猛毒を持っているものなどもいる。
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