あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 治癒魔術で回復できなくはないが、治癒魔術師の負担が大きくなるということで、薬で治療することも多い。

「犯人を見つけ出します。全員、すぐに調べます」
「待ってください、セヴェロさん。騒がないでください」

 今にも飛び出していきそうなセヴェロの腕を、エルニーナは掴んだ。

「毒消しがなければ、次の討伐で死者が出るかもしれないんですよ?」
「わかっています。でも、今騒いだら犯人が警戒してしまうと思うんです……それに、医薬品が足りないかもしれないと考える人が出たら、不安が大きくなるでしょう?」

 セヴェロは口をつぐんだ。怒りは収まっていないが、エルニーナの言うことが正しいと頭では理解してくれたようだ。

「……わかった。でも、僕が見つけたらただじゃ置かないからね!」
「気持ちはわかりますから、抑えてください。辺境伯様、ご指示を」

 セヴェロと同じぐらい、エルニーナだって怒っている。
 医薬品の不足は、騎士達の命が失われることに繋がりかねない。危険な任務についている彼らの命を軽んじるような真似、許すわけにはいかない。

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