あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
「セヴェロの記録を再確認しよう。その日に、辺境伯家の敷地内に立ち入った者を全員洗い出す。それと、侵入経路がないかの再確認だな。こっちは俺がさんざんやったから、問題ないとは思うが」

 ドラヴェンは、まだ先代が存命だった頃から、何度も辺境伯家の敷地を調査していたそうだ。外部の者が入り込めるようでは困ってしまう。
 辺境伯家の生活の場である本館と、領民が出入りできる役所は内廊下で行き来できる設計だが、庭には高い塀が設けられていて、庭からは回れないようになっている。

「すまないが、台帳の調査はここで頼む」
「承知しました」

 エルニーナとセヴェロの声が綺麗にそろう。
 それからは、日々の仕事に加えて台帳を調査し、辺境伯家の人々に話を聞いて回ることになった。
 辺境伯家の使用人達は疑いたくない。でも、ここで犯人を逃してしまったら、もっと重大な事件に繋がりかねない。もちろん、エルニーナやセヴェロだけではなくドラヴェンが指名した信頼できる人も調査に協力してくれた。
 何人かの名前が浮上し、そして無関係として対象から排除された。そんなことを続けて数週間。

「辺境伯様、お話があります」

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