あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 もちろん彼が提出してきた履歴書にはそう書かれていたし、彼の元雇い主からの紹介状にも将来有望な料理人だと記されていた。
 だが、彼の面接を担当し、書類も見たはずのエルニーナの上司、ステファノ・パラディーヌ侯爵は、彼の辞令書を書きながらこう言い放ったのだ。
『こんなに立派な体格をしているのに、料理人だなんてもったいない。彼は、騎士団に行くべきだ。騎士はいつだって足りていないし、彼ほどの身体ならばすぐに第一線に出られるだろう』

 料理人志望者を騎士団に回してどうする。
 ステファノと共に面接にあたったエルニーナは、騎士団長に書類を提出する前に、ステファノに向かってそう主張したが、彼は聞く耳を持ってくれなかった。

「私のメモが役に立つことを祈るわ」
「ねえ、本当にこのままでいいの? 私達、これじゃ飼い殺しよ」

 このまま友人をヒートアップさせておくわけにもいかない。エルニーナはソリンをなんとかなだめようと試みた。

「きちんと仕事をしていれば、皆、わかってくれるわよ」
「あなた、本当にそう思う?」

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