あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 エルニーナは、調査の結果を取りまとめてドラヴェンに報告した。セヴェロも側に付き添っている。
 すべてを聞いたドラヴェンの表情は、冷静さを失ってはいなかったが、その奥に怒りがあるのは、エルニーナにもわかった。

「やはり、ゲオルグか……養父上の代からよく仕えてくれていたんだが」
「状況証拠ではありますが、彼が来た日か翌日に物資が減っていることが多いんです」

 エルニーナは、セヴェロと共に調査を進めていた。
 倉庫に出入りした者の記録、足りなくなった物資について。そして、倉庫に行かなくとも、辺境伯家に出入りした者すべての記録。
 そこには、ゲオルグのような商人だけではなく、騎士達の健康を守る医師だの、他家から使いに来た者だのも記されている。
 継続的に辺境伯家の倉庫近辺まで立ち入っているのはゲオルグと商会の者ぐらいだった。辺境伯家の内部もドラヴェン自ら調査したが、怪しい者はいなかった。

「状況証拠だけでは、捕らえられないぞ」

 ドラヴェンの言うことももっともで、怪しいからといってすぐにゲオルグを拘束するわけにもいかない。

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