あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
「……借金ぐらいならばまだよかったんだがな。辺境伯家の物資を持ち出したんだ。罰は受けてもらうぞ」

 死刑にはしない。開拓地での強制労働というところか。
 だが、ゲオルグの甘言に乗ってしまった者がいるという事実は、ドラヴェンの胸に重くのしかかったのだった。


 ゲオルグを呼び出したのは、ハンネスを開拓地送りにした翌日の午後だった。
 場所は執務室ではなく、屋敷の応接間を選んだ。窓から中庭が見える明るい部屋だ。追加の発注があると言えば、彼は二つ返事でやってきた。
 ドラヴェンは、一人でゲオルグを待った。
 エルニーナ達には何も伝えていない。これは、ドラヴェンが決着をつけるべきことだからだ。

(彼女達を、矢面に立たせるわけにはいかない)

 ゲオルグの後ろに王宮がいるのなら、追い詰めた時に反撃が来る。その矛先が向かう先は、証拠を集めた人間だ。
 二人とも、王宮で正当に扱われなかった者達だ。ようやくここで力を発揮し始めた人間達を、また潰されてたまるか。
 だから、ゲオルグの処分はドラヴェンが自分の名前でやる。

「失礼いたします。お呼びと伺いまして」

 ゲオルグが応接間に入ってきた。
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