約束の続きをもう一度~再会した御曹司の彼は、娘ごと私を甘やかして離しません~
「ずっと、苦しかったし……辛かった……っ。隠したままでいることが……」

 震える声で吐き出された和葉の言葉に湊は胸を締めつけられるような思いに駆られた。

「和葉……」
「湊さんのお父様が来て、別れろって言われた時も……詩音を身篭ったって分かった時も……湊さんに話したかった…………。本当は、離れたくなんて……なかった……っ」

 涙を零しながら必死に想いを伝えようとする和葉を見ていられず、湊は再び彼女を強く抱きしめた。

 腕の中から伝わる小さな震えを感じるたびに、胸の奥から父親への憎悪が湧き上がってくる。

 自分たちが離れることになったのも和葉が一人で苦しみ続けることになったのも、全て父親が仕組んだことだった。

 もし、あの時もっと早く気づいて行動していれば……そんな後悔が何度も頭を過ぎる。

「……再会した時、嬉しかったけど……怖かった……」
「怖い?」
「湊さんが……私をどう思っているか分からなかったから……怖かった……。でも……あの時から変わらずに好きでいてくれてることを知って……嬉しかった……っ」
「当たり前だろ? 俺にとって和葉以外は考えられない。他の女になんて見向きもしなかったよ」
「……湊さん……っ」

 湊の一途過ぎる言葉に再び涙が頬を伝う。

 湊はその涙を親指でそっと拭うと愛おしそうに和葉を見つめた。

「和葉、顔、上げて」
「…………っ」

 促された和葉がゆっくりと顔を上げると、涙で濡れた瞳と視線が重なった。

 湊はその瞳を暫く見つめたあとで和葉の頬に添えた手をそのままにゆっくりと顔を近づけていき――そっと唇を重ねた。

 離れていた時間も言えなかった想いも全てを埋めるような口づけに和葉は胸の奥から込み上げてくる愛おしさを抑えきれなくなり、そっと湊の服を掴むと自らも唇を重ね返した。

「……っん、……はぁ……」

 角度を変えながら何度も交わされる口づけに互いの息が乱れ始める中、湊は名残惜しそうに唇を離すと至近距離で見つめ合いながら低く囁くように問い掛ける。

「……俺の部屋に行こうか」
「…………」

 その言葉に和葉は小さく頷いた。

 その仕草を見届けると湊は和葉の身体に腕を回す。

「え……? 湊さん!?」

 まさか抱き上げられるとは思っていなかった和葉が慌てて声を上げるも湊は構うことなくその身体をしっかりと抱きかかえた。

「ちょ、ちょっと……!」
「暴れるなって」
「そういう問題じゃ……!」

 抗議する声を聞きながらも湊はどこか嬉しそうに口元を緩め、そのまま自身の部屋へと歩いて行くと和葉の身体をゆっくりベッドへ降ろした。
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