追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く
「悪いことかしら」

「いや、いいことだ」

少しだけ間を置く。

「ただ……」

「ただ?」

レオンは右腕に軽く触れた。

「面倒な連中も増えるだろうな」

エレノアは小さく息を吐く。

「今さらね」

そして紙を広げる。

「なら、その前にやることをやるだけよ」

その目は、もう迷っていなかった。

村は静かに、しかし確実に変わり始めていた。

その日の夜。

外では風が強くなり、窓を叩く音がかすかに響いていた。

暖炉の火は安定して燃え続け、

部屋の中だけが別の世界のように静かだった。

薪を一つ足すと、

ぱち、と火が跳ねた。

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