追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く
追放されたとは言わない。

貴族は貴族でも、

この国の第一王女だったのだということも言わない。

まだ、

言いたくなかった。

そんな空気を察してか、レオンもそれ以上聞かなかった。

今度は私が尋ねる。

「あなたは?」

暖炉の火が揺れる。

レオンは炎を見つめていた。

「何が?」

「何者なの」

長い沈黙。

やがて彼は右腕を見て口を開いた。

「昔は騎士だった」

「それは知ってるわ」

「剣技しか取り柄がなかったんだ」

その声はどこか寂しかった。

「でも今は、その剣すら握れない」

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