追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く
それだけで十分だ。

聞いてほしくない過去なのだと察し、それ以上は踏み込まない。

代わりに包帯を巻き始める。

「きつくない?」

「大丈夫だ」

「また信用できない返事ね」

少しだけ緩めると、レオンが笑った。

「ちゃんと大丈夫だ」

「ならいいけど」

包帯を結び終える。

「はい、おしまい」

「ありがとう」

その言葉に、私の手が止まる。

「……別に」

「助かった」

「礼なんていいわ」

薬草を片付け始めた。

「放っておくと悪化しそうだっただけ」

「それでもだ」

レオンは穏やかに言った。

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