追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く
「誰かに手当てをしてもらったのは、久しぶりだった」

私は返事ができなかった。

そんなことを、真っ直ぐ言われるのは苦手だ。

視線を逸らしながら薬箱を閉じる。

「次からは無茶しないことね」

「努力はする」

「努力じゃなくて約束」

レオンは少し困ったように笑う。

「善処する」

「……最低の返事よ、それ。」

「騎士時代から癖なんだ」

「直しなさい」

「難しいな」

私はため息をつく。

「本当に手がかかる」

「そうか?」

「ええ」

思わず口元が緩みそうになり、慌てて咳払いをした。

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