追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く
❅ ❅ ❅

翌日。

雪は止み、澄み切った青空が広がっている。

私は昨夜まとめた紙を何度も見返していた。

水路の修復に畑の拡張、

そして保存食作り。

どれも、実現できれば村は今より豊かになるはずだ。

けれど問題は――。

「私が言っても、誰も聞かないわよね」

私は小さく呟いた。

王宮なら命令で済んだ。

だが、ここは違う。

私は領主でもなければ王女でもない。

ただの落ちぶれた元貴族だ。

それに―――

「人望、ないものね」

自分で言って少しだけ落ち込む。

王宮では優秀だと言われてきた。

けれど、慕われた記憶はほとんどない。

口が悪いし愛想もない。

おまけに笑顔も苦手。

……改めて並べると酷かった。

「だから、まずは」

私は紙を畳み、家を出た。

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