追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く
咳払いを一つして口を開いた。

「……話は簡単よ」

紙を広げる。

「この村は貧しい」

しん、と静まり返る。

「でも」

私は村人たちを見渡した。

「貧しいことと、豊かになれないことは違うわ」

数人が顔を上げる。

「私は昨日、村の帳簿を見ていて思ったの。」

ざわり、と空気が揺れる。

「水路は半分壊れたままだし、

畑はまだまだ広げられる余地がある。

保存できずに腐らせている作物もあるわ。」

紙に書いた図を机へ広げる。

「春までに水路を直せば、収穫は増えるはずよ。

収穫が増えれば冬への備えもできるし、

余った分は商人に売ることもできる。」

誰も口を挟まず、真剣に聞いている。

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