追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く
❅ ❅ 

集会所の少し離れた場所。

レオンは人の輪から外れた木陰に立ち、その様子を見ていた。

エレノアが前に立ち、村人たちに向かって言葉を投げる。

最初は固かった空気が、少しずつほどけていく。

そして最後に巻き起こった拍手。

その中心に立つ彼女は、居心地悪そうに視線を逸らしていた。

「……相変わらずだな」

小さく呟き、口元がわずかに緩む。

誰かに感謝されることに慣れておらず、

褒め言葉を素直に受け取ることができない。

それなのに、表裏のないそのオーラで人を動かしてしまう。

レオンが見てきたエレノアは、そういう人間だった。

レオンは腕を組みながら、ふと空を見上げた。

白い雲が流れている。

その瞬間。

胸の奥に、鈍い痛みが走った。

「……っ」

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